【第4回】高卒の転職を有利に進めたいなら資格を取ってはいけない!?
【高卒の転職に役立つ基礎知識(全8回)】
【第1回】高卒でも大卒以上に良い転職を実現するための条件とは?
【第2回】高卒の転職成功に役立つ求人情報の基本
【第3回】高卒のあなたが優良企業への転職を実現する具体的方法
【第4回】高卒の転職を有利に進めたいなら資格を取ってはいけない!?(このページです)
【第5回】高卒の転職に役立つ履歴書の基本
【第6回】高卒の転職に役立つ職務経歴書の基本
【第7回】高卒の転職に役立つ面接の基本
【第8回】高卒の転職を成功させるコツ
高卒で転職を考える人の中には「転職を有利に進めるためにも資格を取ろうと考えています!!」と言う人が少なくありません。
ネット上のQ&Aサイトなんかを確認しても「高卒で転職を有利に進めようと思ったらどんな資格を取ったら良いですか?」と言う質問とそれに対する回答は山の様にあります。
しかし、高卒のあなたが転職を少しでも有利に進めたいと考えるのならば正直な所、資格を取得することはあまりおすすめできるものではありません。
そこで「高卒の転職に役立つ基礎知識」の第4回となる今回は「高卒の転職を有利に進めたいなら資格を取ってはいけない!?」と言うテーマでお話したいと思います。
実務経験無しの資格は転職で評価されない!!
まず、何故高卒のあなたが転職を有利に進めたいと思っているのならば資格を取るべきではないというのか?と言うと…
実務経験無しの資格は転職で評価されない事がほとんどだからです。
高卒の人だけでなく、大卒の人であったとしても基本的に転職に於いて資格と言うものはそれ程評価されません。
それというのも、資格と言うものはあくまでも「座学」の知識であり、なおかつ「純粋な知識でしかない」からです。
もちろん、その資格をフルに活かして仕事の実務経験者と対等に渡り合えるだけの実力があるのならば話は別です。
しかし、大抵の「資格を持っています」と言う事で転職の際に資格をアピールする人は、そのレベルにまで達していないことがほとんどです。
「資格は持っていますが実務経験はないので実務については一から教えてください」と言う人がほとんどです。
こうした状況となると企業側としては「一から仕事を教えないといけないんだったらなんで資格なんかアピールしているの?」と反応せざるをえないのです。
資格の通信教育や資格の学校なんかでは「資格を取れば転職できる!!」という様な事を主張していますが、あれはあくまでも資格講座を受講してもらいたいための宣伝文句です。
本気で高卒の転職を成功させたいと考えているのならば、過剰なまでの資格信仰とも言える考えは捨て去ることが大切です。
資格試験に時間をかけることで転職しづらくなる
また、高卒の転職を有利に進めるために資格を取得しようと考える事は、転職の際に評価されないばかりかマイナスにすらなりかねません
なぜなら、資格試験の勉強に時間をかけることで転職しづらくなるからです。
高卒の転職を成功させたいと考えるあなたが、まず意識しておかなければいけないことは「若い」ということほど転職に有利な状況はないということです。
30代前半よりも20代後半の方が転職しやすいですし、20代後半よりも20代前半のほうが格段に転職しやすいのです。
また、32歳よりも31歳、28歳よりも27歳、24歳よりも23歳の方が転職しやすいのが現実です。
それにもかかわらず資格試験で年齢を重ねてしまうということは、わざわざその有利な状況を自ら捨ててしまっている事になります。
本気で高卒の転職を成功させたいと思ったのならば、1日でも早く転職活動をすることの方が難関資格取得のために勉強するよりも遥かに大切なことなのです。
勉強することで転職に挑戦しにくくなる…
また、転職を有利にするために資格を取得しようとする人の傾向として勉強することで、転職に挑戦しにくくなる傾向にある事も覚えておくといいと思います。
あなたは高卒の転職を有利にするために資格を取得しようと考えているのかもしれませんね?
しかし、実際には資格を取得してしまうと資格取得前と比べて転職に挑戦することをためらう人が現れるのも事実です。
何故でしょうか?
それは資格を取得したことによって、「今転職できたとしても実務はできない」という事をはっきりと認識し、不安になるからです。
特に英語や簿記の資格など何段階も試験があったり、いろいろな形で試験のあるものの場合、こうしたことで資格試験から抜け出せなくなる人が意外と多いので注意です。
英語についてどんなに立派な資格を取ったとしても本当にビジネスで使用したことがないことから不安になり、「転職できてもこんなレベルじゃ実際の仕事では使えないのでは…」と不安になり、ひたすら英語の勉強に打ち込んで転職の機会を逃す人は少なくありません。
簿記の資格にしても「3級を取れば転職が有利になる」と3級をとったものの、3級では実務とは違うことを認識しはじめて、2級を取得、しかし2級でも実務的な知識はでてこないため、1級、そして税理士試験へとハマり、税理士試験の簿記論や財務諸表論を取得した所で「実務とは違うのでは…」となる人は意外と沢山います。
結局、実務で身に着けることは実務で身に着けるしかないのであり、資格試験の勉強なんかいくらやった所で意味がないということに気づくまでに非常に時間がかかり、それゆえに転職の機会を逃してしまう人が意外と多いのです。
転職先の上司よりハイレベルな資格を取得しているとやっかみで不採用も…
また、資格を取れば高卒でも転職が有利になると思っているのならば少し気をつけてほしいのですが、あまりハイレベルな資格を取得してしまうとやっかみで不採用になる可能性もあるので要注意です。
それというのも、転職先の上司となる人よりもハイレベルな資格を取得しているとその上司の立場がないからです。
上司が簿記3級で、今度転職してくる部下が簿記1級を持っているようでは上司の顔が立ちませんよね?
それ故に、こうしたことを考慮してあまりハイレベルな資格を持っていると不採用になる可能性があるので要注意です。
資格アピールで「その他大勢」に…
また、高卒の転職を有利にするために資格を取得しようという人の場合、転職の際に資格を持っていることをアピールする傾向にありますが、これも要注意です。
資格をアピールすることで「その他大勢」になってしまう可能性があるからです。
高卒で転職を考える場合、資格が無いならば無いなり気に企業のことをしっかりと調べ上げ、自分らしく企業にあなたのことをアピールすれば採用される可能性は十分にあります。
しかし、資格を取得することでそのような転職成功のために必要な一手間、一工夫というものを一切せずにただただ「資格アピール」をする転職希望者は少なくありません。
そして、「資格アピール」で終わってしまうとどうなるかわかりますか?
「その他大勢」になってしまいます。
なぜなら、同じ様な資格をもっている人は山の様にいますし、「あなたでなければ採用する意味がない」というものを見いだせないからです。
下手な資格アピールよりも、資格がなくともしっかりと転職先と真剣に向き合い、あなたが転職先にふさわしい人材出ることをアピールすることの方がよほど転職成功に近づくのです。
関係のない資格をアピールすると自滅する
また、なにも資格が無いことから何か資格を取れば高卒でも転職に有利になるんじゃないだろうか?と考えているのならば要注意です。
それというのも、関係のない資格を取得し、それをアピールすると転職活動では自滅するからです。
たいしてワードやエクセルのスキルが求められないのにもかかわらず、MOSの資格をアピールした所で「なんでこの資格取得したの?うちの業務と関係ないよね?」と言われてしまいます。
宅建資格を頑張って取得したからと言って不動産とは全く関係のない会社への転職でアピールしたら「うちの会社どんな会社か本当にわかってる?不動産業界に行った方がいいんじゃないの?」と突っ込まれる材料になることすらあります。
つまり、関係のない資格をアピールすることで自ら自滅することも意外とあったりするので要注意です。
資格がなくとも高卒のあなたが転職成功する方法とは?
高卒のあなたが真剣に転職を考えているのならば、資格なんか無くとも転職に成功することは可能です。
では、資格がなくとも高卒の転職を成功させるためには一体何が重要なのでしょうか?
まず、一番大切なのは何よりも「若い」ということです。
「若いと言っても一体何歳まで?」と考えるかもしれませんが、これは企業の考え方にもよるので一概には言えません。
20代前半でなければ若いと認めてくれない企業もあれば、30代前半くらいまではまだまだ若いとしてたいした職歴もスキルもなくとも受け入れてくれる企業も沢山あるからです。
30代後半ともなると少々厳しくなりますが、それでも受け入れてくれる企業が無いわけではありません。
ですから、高卒のあなたが本気で転職を成功させたいと考えるのならば、なによりもまず「今」転職と真剣に向き合うことが大切です。
なぜなら、「今」より若いあなたというのは今後ありえないからです。
そして、「若い」ということと同じように大切になるのが「しっかりと転職先について理解すること」です。
「高卒だから転職がうまくいかない」「資格が無いから転職がうまくいかない」と言っている人に限って、この「しっかりと転職先について理解すること」という転職において大切なポイントをないがしろにしている人は少なくありません。
「カレーが食べたい」と言う人に「この超豪華ラーメン最高ですよ!!」なんてアピールしても喜ばれませんよね?
「とにかく明るく元気に仕事を頑張ってくれる人がほしい」と言う企業に対して、大卒で弁護士資格もある根暗でろくに挨拶もできないような人間が採用されることはまずありません。
むしろ、高卒で資格がなくともとにかくニコニコと笑顔を絶やさず、まわりを元気にするような人の方が喜ばれるはずです。
「会社の会計書類を使う部署なので口が堅い人がほしい」と言う経理の仕事に対して、人の話も聞かずにべらべら喋るような税理士資格取得者が採用されるようなことは絶対にありません。
それよりも、経理の資格なんか無くともやる気があり、無駄口をたたかない高卒の方がはるかに採用される可能性が高いといえます。
もちろん、「資格さえあればいい」とい企業も存在します。
しかし、それと同じように「資格なんか無くとも本気で頑張る気があるのならば高卒でもなんでもいい」と言う企業だって沢山あるのです。
ですから、高卒のあなたが本気で転職を成功させたいと考えるのならば、しっかりとそうした企業の求人を見つけ、その上でそうした企業に向けて適切な転職活動をすることが大切です。
少々余談になりますが、こうした企業を見分けるためにも転職エージェントを利用することが役に立ちますよ。
転職エージェントならば企業の人事採用担当者から具体的にどんな人材を採用したいのかを確認しているからであり、それをもとに転職支援してもらえるので最も効率のいい方法と言えます。
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